「こんばんわ~」
「はい、こんばんわ~」
塾に来た中学2年生のIちゃんが話し始める。
「先生、今日ですねー、数学の授業でですねー、…」
「ほお、ほお」
「1次関数の傾きと切片の問題があるじゃないですか?」
「はいはい、前回してたとこね」
「あそこを授業で今日やってですね、私が問題を解いていたら、学校の先生に、Iちゃんこの問題がわかるの!?解けたの!?って言われて褒められたんですよ」
「おおーーーッ!! それは気持ちがいいね。」
「で、ですね、問題が解けなかった友達に教えたんですよ、私が!」
「いつもは私が友達から教えられる方なんですよ!!」
「はじめてなんですよ。私の方が周りの友達に教えるっていうのは!!!」
なるほど。
それは気持ちよかっただろうね。
嬉しかったよね。
そして、それはIちゃんと同じくらい私にとっても嬉しいことですよ。
「Iちゃん、予習して行くっていいでしょ?」
「はい!予習はいいですね~!!」
「じゃ、これに気をよくして今日もやろう」
「やります!やります!」
(終)